部屋|久常未智

部屋でひとりになると、目が合う
小さなものたちと

山麓の小さな小屋に、絵を描きに通うひとりの女性。カーテンを開き、コーヒーを入れ、画用紙に絵筆を走らせる。描いた絵を壁に飾る。一日を終えて、小屋をあとにする。――おそらく、この女性だけが主人公ではない。部屋に佇む、小さきものたちがつくる世界が、ただ在る――久常未智さんが絵本『部屋』で描いたのは、極めてパーソナルな、小さな世界である。ページを捲っていけば緩やかな一筋の物語を形作っていることはわかる。でも、それはべつだん物語にする必要はなかった。それでも物語にしなければならなかった。というのも、この小さな世界は作者が守らなければならない世界であり、大きな物語によって侵されてはならぬ領域であるからだ。――というのが、編集者としてこの絵本づくりをともにした僕の解釈であるが、作者の“意図”は、たぶんそういうことではない。実際の絵本をめくってほしい。

アトリエの中のできごとを綴った静かな絵本。絵描きである女性がやってきて、仕事をして、帰っていく。部屋のあるじがいてもいなくても、そこには世界がある。久常未智さんが長年アイディアを練ってつくりあげた傑作です。しかも、リソグラフ3色刷り。

価格 

¥2,000

+税

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