タソガレ

「こわい未満がいちばん怖い。」こういったキャッチフレーズを勝手に付けて、『小さい本屋の小さい小説』を売っている。生活綴方出版部の本の中でも売れ続けているロングセラーだ。
だいたいの人が「え?それどういうこと?」と聞いてくるけれど、なかなか口ではうまく説明できず、それは読んで確かめてみてくださいと不敵な笑みを浮かべつつ、本をそっと差し出す。

『小さい本屋の小さい小説』はショートショートと呼ばれる短い小説の短編集。ショートショートの定義は「新鮮なアイデア、完全なプロット、意外な結末」とされる。こんなに短いのに読ませる技術もさることながら、彼女の小説は独特の雰囲気を纏っている。不穏な空気。ものの境目が見えなくなるような。人のさまの見分け難い時間、日が暮れかかり夕やみ迫る、まさしくたそがれ時にいつの間にか入り込んでしまうよう小説なのである。

『タソガレ』は『小さい本屋の小さい小説』の1話目の同名の短編をもとに中篇小説として書いたもの。『小さい小説』で装丁を担当した佐々木未来さんと再びタッグを組んで作った出版レーベル〈carrot cake press〉の第一弾刊行本。
淡いピンクや柔らかいクリーム色の表紙に、ふわり絶妙なタッチの佐々木さんの絵。「わーかわいい!」と女の子が無邪気に手に取るのをこれまで何度も目にしてきた。そこでまた私はひっそり、例の不敵な笑みを浮かべるのです。ふふふふふ…..。

価格 

¥2,182

+税

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