犬のはらから

山内尚

わたしはきみをはらから(同胞)から離して一匹にした責任がある。 わたしはきみのはらからである責任がある。 わたしはきみのはらからである。

一年前に保護団体から一匹の犬を引き取ったことによって、変わりゆく生活。公園につどう犬連れの人間たちや定期的にゴミ拾いをしてくれているボランティアの存在に気づくこと。わたしのものだったけれど犬のものになったブランケットのこと。誤食防止のために家を整えること。

一匹だけしか引き取ることができなかったことで、「きみ」をきょうだいから引き離してしまったことへの負い目を感じながら、だからこそきちんと快適で整った生活にしたいという責任。

愛すべき他者(犬)への豊穣な想像力に溢れたエッセイ。

  • 犬眼鏡
  • それぞれの世界一ちゃん
  • ごあいさつしたいですのに
  • 漫画・ねるときすきなとこ
  • はじめてのお店番
  • 断食ピッピロピ〜
  • 群れがだいすき
  • ネギ・チョコレート・プラスチック
  • 動物病院に行こう
  • 宅の野犬に襲われておりますの
  • This is my mocha.
  • あなたを抱くための服
  • あれもこれも保存会
  • きみのはらから

プロフィール

山内尚〈やまうち・なお〉

漫画家。1993年生まれ。著書に『ノンバイナリースタイルブック』(柏書房)、パートナーの清水えす子との共著に『シミズくんとヤマウチくんわれら非実在の恋人たち』(柏書房)がある。電子単行本では『よるべない花たちよ〜for four sisters〜』、『クイーン舶来雑貨店のおやつ』『魔女の村』(すべて秋田書店)など。

価格 

¥700

+税

在庫あり

出版社  生活綴方出版部
判型   文庫
頁数   40ページ
装丁   西平礼子
装画   山内尚
編集   中岡祐介(三輪舎)