製本と自由

綴方出版部の製本作業のいちばんの報酬は、本をつくるという行為に無心でのめり込み、言葉や思考の先にある領域(ゾーン)に至る経験だ。

「製本する身体が自分の呼吸を助けてくれる」 生活綴方出版部の本はある時期、彼の手が入っているものが多い。手先が器用ではない、熟練でもない。うまくいかないこともある。それでも彼が製本に取り組むのは自由のためだ。「製本のリズムやうねりに身を投じていると気楽になれる。考えすぎたり言葉を選びすぎたりして口を噤んでしまう自分を解いてくれる。そんな時は言い淀みも、尻すぼみも気にせず流れるままに人と話せる」。生活綴方での本づくりを“見習い製本工”の視点から綴った記録集。

価格 

¥700

+税

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