新刊
秋峰善さんの『夏葉社日記』を直納ならぬ、直取りに吉祥寺に期間限定で開いた岬書店へ伺った。 そこで島田さん秋さんとひとしきり話して、無事『夏葉社日記』を受け取り、また島田さんから桜美林文学会が作成した夏葉社特集の『言葉の繭』もいただいた。
みすず書房から事前にゲラをいただいて『長い読書』を読んでいた私は、岬書店で入手した『夏葉社日記』『言葉の繭』も読んで、その週はどっぷり島田潤一郎に浸かった。 そのときまだ秋さんは、『長い読書』を(発売前なので)読んでないから楽しみです!と言っていて、なんと私は本人宛のラブレターを本人より先に読んでしまった…という複雑な思いをしたものだった。
だって、こんなにそのひとのことが好きって素直に書いていいものなの?と驚いてしまうのだ。その素直さが二人似ているところかも知れない。 そしてどちらの本も、「本を読むこと」に勇気をくれる本だ。作家に敬意を払い、本を読む時間を大事にし、読んだあとの余韻をひとり愉しむ。そして本について人と話す。 やはりそれは「本を読むこと」でしか叶えられないし、「本を読むこと」は人を知ることだと改めて感じた。
友達がぜんぜんいないと思ってたんだけど、営業で本屋に行くといっぱい居たんですよ、友達。ああ、ここに居たんだーって気づいた。
と島田さんはずっと前、そう話してたっけ。『長い読書』を読んで、本を読む島田さんと、たくさんの「本を読むひと」の穏やかな時間が見えるようだった。
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