手差ユニッツ「木片の窓 小さな窓」展

手差ユニッツ(てざしゆにっつ)さんの本『小さな窓』の原画展を開催します。

手差ユニッツ、という名前を最初に目にしたとき、リソグラフ印刷をなりわいのひとつとしているぼくの感覚では「印刷好きなアーティストグループなのかな」と想像していました。数年前に刊行された『とうえん』はリソグラフで印刷されていたので半分はあたりですが、実際にはひとりだったことを後で本人から聞いて知りました。田河水泡や長谷川町子を思わせるなつかしい筆致に加え、けして回収されない日常の断片の描き方に、ぼくは手差ユニッツのとりこになりました。

漫画『小さな窓』は、実は当店のリソグラフで印刷されています。だからなんだといわれるとなんでもないのですが、こんなにすばらしい作品を当店で印刷してくれてとてもうれしいのです。せっかくだから、うちでも原画展をしてくれませんか、とお願いして実現したのが本展です。

今回は原画とともに、「木片の窓」という言葉も添えられています。吉祥寺の書店「一日」(「百年」の姉妹店)での原画展を訪れた人はご存知かと思いますが、木片の中央に穴が空いていて、その周りに手差ユニッツさんがいろいろな絵を描いたものが販売されていました。ぼくはそれをとても気に入ったので購入し、この文章をしたためているデスクの上に置いて、ペン差しとしてつかっています。けして量産できるものではないので、つくるのは大変だけど夢中になって手を動かしているだけで落ちつくんです、と本人は語っていました。

長期間開催しておりますので、ぜひご来場ください。

作家より

手差ユニッツは漫画を描いて手製本する活動をしています。今回は最新作の「小さな窓」の原画の展示と、また最近続けている木片に絵を描くシリーズを合わせて展示いたします。木片には窓のように穴をあけていて、それが何かの役に立つか立たないかは是非手に取ってご覧ください。

開催概要

  • 日時:2024年10月11日(金)~11月3日(日)
  • 営業:金・土・日・月 12:00 – 19:00 (火水木・定休)
  • 会場:本屋・生活綴方 横浜市港北区菊名1−7−8 東急東横線・妙蓮寺駅徒歩2分
  • 入場料:無料