横浜・妙蓮寺で74年つづく石堂書店は、コロナ禍の2020年にもう一つ、本屋・生活綴方を立ち上げました。

それから4年がたち、地元の方はもちろん、遠方からも足を運んでいただける本屋になりました。初めて来た方からはよく「こんなすてきな町があったのか」「なんだか懐かしい場所ですね」という感想をいただきます。自分も住んでいる町なので素直にうれしいです。

石堂書店では、毎日たくさんのお客様と妙蓮寺の話をします。みなさんがこの町が好きで住んでいるのがよくわかります。

この街は、ひいては横浜は、けして「本の街」ではありません。

わたしたちのお店には文字通りドアがないのですが、それでも、本屋の敷居を勇気をもってまたがないと、本の豊かさには触れられない。ブックイベントは活況を呈していますが、やはりそれは本好きのもの、本屋に通う習慣のあるひとのためのものです。

ここに豊かさがあることを、どうやったら知ってもらえるか。

そこで、この小さな街のあちこちで本を売るイベントを開催することにしました。当然、書店も会場にはなりますが、お店の軒先や古民家、町内会館、不動産屋などに分散します。

題して、「本や街」。

なんとなく伝わりましたでしょうか。

妙蓮寺にまだ来たことのない方に、この街を一日ぶらぶらと歩いて楽しんでもらえたらと思います。あちこちに本を売る場所を設けますが、場所も巡る合間に八百屋さんで野菜を買ったり、コーヒーを飲んだり、池を眺めたりしてもらえたら最高です。

この日は書店、出版社、作家、ミュージシャンなどさまざまな形で「本」に携わる人が集います。本を片手にこの町を歩く一日を作ろう。本の話をたくさんしよう。