終了/トークイベント 川内有緒による“川内有緒” /『バウルを探して』を中心に〔2020.10.20〕

このイベントは無事、終了しました。アーカイブ代わりに、最初に三輪舎の中岡が読み上げた文章をここに記しておきます。

 2018年に開高健ノンフィクション賞を受賞した『空をゆく巨人』を読んだとき、この作者、川内有緒さんは蔡國強の評伝を書きたかったのではない、蔡國強という偉大なアーティストを合わせ鏡にして、志賀忠重とその仲間たち、について書きたかったのだと思った。あとになって全作を通覧して確信したのは、川内さんの著作は、どこにでもいそうな誰かの、誰にも似ていない何かを書きたいのかもしれない。このひとに、いつか三輪舎の本をお願いしたいと思った。
 川内さんは、書いているととても長くなってしまう、といつも言っている。確かに『バウルを探して〈完全版〉』のあとがきも長かった。『空をゆく巨人』も『骨まいて』も、他の著作も、ちょっと長い。たぶん理由はさっきのと一緒だ。川内さんにとって、誰かについて書くことは、他の誰かについて書くことだ。文章が長くなるのも、誰かについて書こうと思うと、その周辺の誰かや何かについて書いてしまうから。文脈に絶対に回収されない、いきいきとした「無駄」を愛していると思った。
 デビュー作『パリでメシを食う。』が「パリに住み着いた日本人」についての軽やかなエッセイ、第二作『バウルを探して』は当時世界一の最貧国と呼ばれたバングラデシュの地べたで生きる行者「バウル」についての濃厚な旅の記録。―――これら初期2作のとても極端な振れ幅のなかにこそ、ノンフィクション作家・川内有緒の魅力の本質があると思う。
 今年2020年に『バウルを探して』を〈完全版〉として蘇らせるまでの10年を、本作を中心に一気に振り返りたいと思います。

当日の様子

「もうひとつの〈バウルを探して〉」写真展に関連して、ノンフィクション作家・川内有緒によるトークイベントを開催します。

デビュー作『パリでメシを食う。』(幻冬舎 / 2010年)が「パリに暮らす日本人」についての軽やかなエッセイ、第二作『バウルを探して』(幻冬舎 / 2013年)は当時世界一の最貧国と呼ばれたバングラデシュの地べたで生きる行者「バウル」についての濃厚な旅の記録。―――これら初期2作のとても極端な振れ幅のなかにこそ、ノンフィクション作家・川内有緒の魅力の本質があると思います。今年2020年に『バウルを探して』を〈完全版〉として蘇らせるまでの10年を、本作を中心に一気に振り返ります。聞き手は本屋・生活綴方の監修で、三輪舎の中岡です。

概要

  • 開催日  2020年10月20日(火)開場19:00 / 開始19:30 〜 終了21:00
  • 会 場  本屋・生活綴方(東急東横線・妙蓮寺駅 徒歩2分)
  • 参加費  1,500円(税抜)
  • 定 員  20名(要予約)
  • ご予約  peatix にてお受けいたします。

またはメールでもご予約いただけます。件名を「イベント参加希望」とし、お名前、電話番号、参加人数を記入して送信してください。

川内有緒さんが在廊します

このイベントの当日17:00からイベント開催までのあいだ、川内有緒さんが在廊します。この時間帯にご来店いただければ、作家本人によるギャラリートークをお楽しみいただけます。本のこと、写真のことなど気軽に聞いてみてください。とても親しみやすい方なのでご心配なく!

プロフィール

川内 有緒
ノンフィクション作家。1972年、東京都生まれ。日本大学藝術学部卒業後、米国ジョージタウン大学で修士号を取得。米国企業、日本のシンクタンク、仏の国連機関などに勤務後、ライターに転身。『バウルを探して』で新田次郎文学賞、『空をゆく巨人』(集英社)で第16回開高健ノンフィクション賞を受賞。著書に『パリでメシを食う。』(幻冬舎)、『パリの国連で夢を食う。』(同)、『晴れたら空に骨まいて』(ポプラ社/講談社文庫)など。 https://www.ariokawauchi.com

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