「タイパンツ」とは、ジッパーやゴムではなく、紐だけで縛って穿くパンツのこと。もともとはタイで生まれたリラックスウェアです。このシンプルな構造のまま、街中でもきれいに穿けたらいいなぁと思ったのが、タイパンツをつくりはじめたきっかけでした。オリジナルのパターンを作り、布選びをし、一点づつ縫いはじめました。穿き方は、着物のように腰幅に合わせて布をまきつけ、帯を締めるように共布の紐で縛って穿きます。慣れてしまえば簡単ですし、その解放感は他のパンツでは味わえない心地よさがあります。楽で自由で風通しがよい。形は、幅の広いワイドタイプと、細いスリムタイプがあります。シンプルなつくりですが、柄や素材が変わるだけでも、雰囲気がずいぶんと変わります。そこも、タイパンツのおもしろいところだなぁと思っています。

  • 会期・・・・・2022年5月13日(金)- 5月29日(日)※火水木 定休
  • 営業時間・・・12~19時
  • 会場・・・・・本屋・生活綴方(東急東横線 妙蓮寺駅 徒歩2分)
  • 入場料・・・・無料

小鳥美茂 プロフィール

小鳥 美茂 Kotori Mimo

1977年東京都生まれ。タイパンツ作家。2021年3月まで鎌倉・由比ヶ浜のレンタルスペース『BORN FREE WORKS』の運営。アウトドアブランドのリペア。エッセイを中心とした本の出版。著書に『Birdsong』『Sunny Side』(ともに自主制作)、新刊は『ちいさなお話し会 vol.1 本の話』(生活綴方出版部)。beachbookstore.stores.jp

関連書籍

「誰かの当たり前は、当たり前じゃない。あなたの当たり前も、当たり前じゃない」

「じぶんにとっては当たり前過ぎて、人に話すほどではないと思っているようなこと。そういうことを、聞いてみたいと思いました。誰かにとっての当たり前こそ、他の誰かにとっての力になったり、エネルギーになる気がしたからです」

コロナ禍の前は、遠いところにある知らないものを知りたいと思っていた。だから旅をして異文化に触れたり、少し足を伸ばして美術館やギャラリーを訪れたりした。それもそれでいいのだけど、そう簡単に人と会えなかったり、外出ができなくなったりするうち、身近なものに新奇さを感じるようになった。それは人間関係も一緒で、新しい出会いがないかわりに、身近なひとと出会い直す機会になった。

本書は小鳥美茂さんがみずから運営する鎌倉・由比ヶ浜のギャラリー「BORN FREE WORKS」で、2020年の1月から毎月12回に渡って開かれた「ちいさなお話し会」の記録だ。招かれたゲストは小鳥さんの友人、知人。つまり「知った仲」のはずだが、小鳥さんは彼らとここで出会い直す。友達のしごとについて深堀りする親密さとともに、質問の随所に、初めて会ったかのような新鮮さがある。

今回は、本を仕事にする3人を選り抜いた、シリーズ1冊目。

「外に出るんだ。人と人をつなぐこと」

まだ何者でもなかった著者・小鳥美茂は、師・永井宏から突然そう告げられる。驚きながらも、伏線が回収されるかのように動き出す人生。その後、由比ヶ浜を一望できるギャラリー「BORN FREE WORKS」を引き継ぎ、運営の難しさに苦しみながらも、友人や作家とともに乗り越えた、贈りもののような日々。師である美術作家・永井宏の教えを胸に抱いて歩んだ、四年間の記録。

文集・先生 (共著)

「先生」にまつわる13人の記憶。小鳥さんも寄稿されています。