本書は、震災から10年が経過した後の小名浜の人たちがどんなふうに震災の影響を捉え暮らしてきたのかを、人々の魅力もまるごと描写した、小松理虔さん初の人物エッセイです。登場するのは皆小松さんの旧知の人で、食堂の女将さん、漁業会社の社長、移住してきたアシスタント、建設会社に勤める友人など、さまざまな年齢、職業、立場の人たち。震災や原発事故との距離感も年齢もバラバラな相手に、問いかけかたを選び、また時には「わかりあえない」こと自体に寄り添いながら、自らも逡巡し、その思いを綴ります。本書で小松さんが初めて挑戦したエッセイという文体。この書き方によって小松さんの中に何か変化はあったのでしょうか。
また、小松さんとともに話をしていただく安達茉莉子さんは、今年の3月に出版された『らせんの日々―作家、福祉に出会う』(ぼくみん出版会)で、働く職員の語りを通じて、取材先の「南山城学園」が運営する場が醸す豊かさを描いた著作です。『小名浜ピープルズ』と『らせんの日々』はそれぞれ小名浜という土地と、福祉施設という場所について書かれた毛色の異なる著作に見えますが、“ピープルズ”の語りを通して場所について書くという点で、まちがいなく低音域で共振する著作といえます。
語りを通して自らを見つめ直す二つの本を軸に、お二人にとって書くこと、対話すること、そしてそれを通して場所について考えることについて、広く語り合っていただきます。
概要
- 開催日 2025年7月17日(木)
- 時間 19:00開場、19:30開始(21時ごろ終了予定)
- チケット
- 現地参加+アーカイブ配信:1800円(定員15名)
- アーカイブ配信:1500円(定員無制限)
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プロフィール
小松理虔(こまつ・りけん)
1979 年福島県いわき市小名浜まれ。法政大学文学部卒業後、福島テレビ報道部記者、かまぼこメーカー広報などを経て2015年独立。小名浜でオルタナティブスペース「UDOK.」を主宰しつつ様々な分野の企画や地域のプロジェクトに携わる。18年『新復興論』(ゲンロン)で大佛次郎賞受賞。著書に『地方を生きる』(ちくまプリマー新書)、『新地方論』(光文社新書)、『新復興論 増補版』(ゲンロン)。共著に『ただ、そこにいる人たち』(現代書館)ほか。
安達茉莉子(あだち・まりこ)
作家、文筆家。大分県日田市生まれ。防衛省勤務、限界集落での生活、英国大学院留学などを経て、言葉と絵による表現の世界へ。自己の解放、記憶、旅、セルフケアなど、「生」をテーマにした執筆をつづける。著書に『毛布 – あなたをくるんでくれるもの』(玄光社)、『私の生活改善運動 THIS IS MY LIFE 』(三輪舎)、『臆病者の自転車生活』(亜紀書房)、『世界に放りこまれた』(twililight)など。Web : https://mariobooks.com/ X/Instagram :